理学部サイエンスカフェ@駒場(12月12日)

最近はレポート,友人の演奏会等忙しかったので日記を書く暇がなかった.
演奏会のことは,また後日書くとして,今回は先日あった理学部サイエンスカフェの内容を書こうと思う.

東大は大学に入学した際にはすべての学生が教養学部に所属するシステムをとっていて,他の一般的な大学と違い入学時には専攻分野がなく,進学振り分け(進振り)という制度がある.
2年次の夏休みに行われるものだが,それまでの授業の成績(平均点)順に希望する学部に進学できる,という制度だ.
学生にとってみれば,自分の進みたい学部が人気学部であればある程点数が高いので,必然的に授業の内容に力を入れなければならない.
理系であれば,薬学部や理学部(特に物理・化学科),航空宇宙工学科・物理工学科などの人気な学部学科はもちろん点数が高い.
ノーベル賞の影響もあり,来年の進振り(僕が進振りされる年)は物理・化学科はボーダーライン(底点)は上がるだろう.

しかし,点数を気にするのは学生だけでもない.
学部側からしても底点は気になるものだ.
普段から駒場の学生に講演会やポスター,講義などで学部ぐるみの広報活動をしないと定員割れ(底抜け)がおきてしまう.
かつて一度,高い底点を維持してきた物理学科も底抜けを経験しているくらいだ.
(第二段階という,第一段階で希望学部に進めなかった約3割の人を対象としているものではあるが)

ということで,理学部としても広報のために学部ガイダンスだけでなくて,サイエンスカフェというものを開催するわけだ.

学部ガイダンスは比較的真面目な学部紹介をする機会であったが,それに対してサイエンスカフェは各学科の先生とタダでケーキとお茶・コーヒーを頂きながらお話をする会だ.
どちらかというと甘いものを食べたくてサイエンスカフェに行ったが(僕だけでなく)実際来ている人は「ケーキがあるから」という理由で来ている人が多い気がした(笑)

前の授業は実験だったので,開始時刻には若干遅刻していったら,結構人がいた.
しかも入口入って正面の「物理学科の席にいた人の約半数が知り合いだった」という状況には笑わずにはいられなかった.

残念ながら,前回のガイダンスの際に生物学系の学科にはにはそこまでの興味はもてなかったので,結局生物系3学科と地球惑星環境学科(地質学に近い)にはいかなかった.
つまり僕が行ったブースとしては,足を運んだ順に物理学科,数学科,地球惑星物理学科(環境学科と違い天文学+物理学+alphaのような学科),化学科,天文学科,情報学科だった.
(工学部ほどではないが理学部もたくさんの学科があるなぁ.)

各ブースに行くごとにひとつづつケーキを頂き,さらに情報学科を見た後にもう一度物理学科のブースに戻りケーキを食べたので,合計7個も食べたことになる(笑)
5個目を過ぎたあたりからさすがに食べるかどうか躊躇したのだが,やっぱり食べてしまった(笑)
まぁ,一緒にブースをまわったD.N.くんは8つ(それ以上か?)食べていたが…(笑)

各学科の先生が自分の学部をアピールしていた特徴的なフレーズ(ちょっと脚色してるかも?笑)

【物理学科】
 20世紀はアインシュタインの発見に始まり物理が理系の中心的な学問だったけど,21世紀も物理の時代ですよ.そもそも,すべての学問は物理学の発見に恩恵を受けていますからね.物理学者無しでは理学も工学も医学も発展しないんですよ.まさに物理学帝国主義ですね.ハハハ・・・

【数学科】
 数学科は現実に意味のない学問のようにみえるかもしれませんが実は現実社会ではなくてはならない学問分野です.
(分野によっては)保険,金融や,暗号(通信)開発などの職業に進みます.博士課程に進む人も多いですねぇ.まぁ博士課程に進んで研究する人は…ゴホッゴホッ(茶を濁す)
※数学科は世間で言われているポスドク問題が,顕著な学科の一つ

【地球惑星物理学科】
 太陽系から地球スケールまでの分野について物理的に研究します.
学部生の間は(結局物理学.笑) 太陽系・気象・地殻(プレート,火山,海洋など)・地球内部など幅広い分野についての教養を身につけます.
(他大学では学部時代からもっと細かな専門を選ぶ必要がある)扱う範囲が極めて広くカリキュラム的にも授業のコマ数が多いので,学部段階の卒業論文は実質上ないものと言えます.ちなみに,当学科は意外とポスドクの比率が少なく博士課程卒業年から助教ポストに就く人もいます.(これはとてもすごいこと)

【化学科】
 化学科に進むと,理学部すべての学科の分野について勉強できます.量子化学などをやれば物理学ですし,生化学の分野であればほとんど生物に近い分野を生物学者には出来ない,分子の動きから生物の研究ができますよ.他の学部の範疇も化学の分野で議論することができます.
化学と他の理学部の学問の関係をみると,いかに化学が理学の中心にいるのがわかるでしょう.
世の中では物理帝国主義だなんてありますけど,私はそう思いませんね.私は化学中心主義を主張します.言い換えれば化学はCentralScienceとも言えます. 
あ,でも一つだけ化学の扱えない分野があります.素粒子,宇宙論です.ああいう純粋理論の分野をやりたい人は,化学科ではやれないのでどうぞ物理学科へ行ってください.(笑)

【情報学科】
理学の中でも新しい分野(もっとも新しい学科は生物情報科学科:今年設立されたばかり)です.物理や化学科のように帝国大学創設のときからあるような伝統学部とは違って,新しいことをやりたい人にはお薦めです.まぁ,どの学部に行っても計算機の恩恵を受けると思いますが,それを積極的に開発する学部です.就職先は,SEに限られているわけでもなく,希望して一般職につく人もいますねぇ.
※近年SEがキツい割りに給料が安いことの反映か?

それぞれの学科が特色を出しているよなぁと思う.
自分自身あと半年で自分の進みたい学科が決められるのか心配なくらいだ.

これからも(工学部,教養学部後期教養課程,その他文転なども含め)どの学部に進みたいのかをじっくりと吟味していきたい.