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2006年8月(高校二年)

物理チャレンジ 2006/08/03
7/30から昨日(8/2)まで、岡山県の閑谷というとことで物理チャレンジ2006という、物理のコンクールが行われていました。

そのコンクールに僕も参加をしました。
この3泊4日のうち間の二日にそれぞれ理論、実験の課題を行いました。

あわせると10時間もの試験の結果、なんとか銅賞を頂くことが出来ました。
銅賞を頂くまでの間は相当辛い道のりでしたが、その間にはたくさんの方々のお世話になりました。
本当に感謝しています。
ありがとうございました。

また、物理チャレンジで知り合えたたくさんの仲間もいます。
本当にいい仲間が出来ました。
これからもそのような仲間を大切にして、研究などでの横の広がりを大切にしていきたいと思いました。


詳しいことはまたあとで書きたいと思います。


参考 物理チャレンジ


やっと夏休み 2006/08/10
7月が始まってから5週間近く、忙しい毎日をすごしやっと夏休みらしい休みを取ることが出来ています。
やっと学校の夏休みの宿題のメドがついたのでこれからしばらくは、電子工作などができればいいなと思っています。
(お盆休みが自由に使えるのは小学校五年生のとき以来か?)



物理チャレンジの細かい報告を。。。
物理チャレンジは岡山県にある「国宝閑谷学校」の脇にある「岡山県青少年教育センター閑谷学校」というところでおこなわれました。
日程は、7/30から8/3でした。

試験は2,3日目に理論問題と、実験課題がそれぞれ行われました。
参加した生徒数は99人でした。
少なくとも僕を含め3人は科学技術館のサイエンス友の会出身の仲間でした。
(実は行きの新幹線、偶然か三人ともおんなじ車両でした。。。笑)


1日目は、理化学研究所の茅 幸二(かやこうじ)先生と、ピーター・フランクルさん(算数オリンピック専務理事)の講演を聴きました。
集まっているメンバーはみな理科が好きなメンバーだけあって、みな話にくぎ付けでした。
ピーター・フランクルさんはジャグリングなどで有名な人ですが、
話しながら技を披露してくださいました。
そのなかで、ハンガリーでの理科教育についていろいろと興味深い話しが伺えてよかったです。
ハンガリーでは物理学会のような団体が主催で月間の中高校生向けの物理雑誌を出版しているそうなのです。
日本でも似たようなものがあるじゃないか、、といわれそうですが
ハンガリーのものは雑誌に様々な分野の問題が載っていてそれを解いて返送する(しなければならないと言ってたような。。。)というものなのだそうです。
その返送した答案を採点して、優秀な生徒に表彰をする、という形がとられているそうです。


さて、話しはそれましたが、以上のように講演会を聞いた後に、宿泊施設に向かいました。
朝早くから新幹線に乗ってきてそうとう疲れていたので、宿泊施設まで眠るつもりでいました・・・
が、バスの中で自己紹介をするという事で、10分くらいしか。。。笑
自己紹介したおかげで確かに4日間で相当大きな仲間の輪が出来ました。


施設に着いたら開会のセレモニーがあり、そのあとに夕食と入浴があり、自由時間になりました。
とても驚いたことに、消灯時間は10:30と決められていたのですが、
翌朝までずっとあいている自習室というものがしっかりと確保されていました。
用意してもらえることが予想外だったのでとても驚きました。
その自習室では30人くらい勉強していました。(すごい・・・)
僕は翌日のために12時まで勉強しましたが、まだ部屋には20人強もいました。
でも、僕にはそのときは睡眠が一番必要でした。笑
(さて、一番遅くまで起きていた人は何時まで起きてたのだろうか?)


そして二日目、朝8:30から13:30まで休憩なしの理論問題。
集中力を持たせるのには自信があるつもりでしたが、5時間はぶっ通しは、かなりきつかったです。。。
だが、国際大会がこれと同じ時間なんじゃしょうがないか。。。汗
いずれ問題は公開されると思いますが、問題を解いていると頭がパンクしそうでした。


理論問題も済んで、みんなほっとしていたその夜は様々な先生のお話しを伺う(フィジクスライブ)という企画がありました。
物理チャレンジの運営をしてくださる先生の多くは実際の研究者だったので、沢山の先生から実験などを通して生きた知識を与えてもらいました。
その中に小学生のとき科学技術館がらみで、何回かお世話になった先生がいました。
その先生は発表についてだけではなく、他にも興味深い話しを伺うことが出来ました。
とくに、ISEFという自由研究のコンクールを紹介してくれました。
これは(理科に限らず)自由研究を論文にまとめて、その論文やその研究に対するプレゼンテーションをして競おうというコンクールです。

それの日本予選のようなものがあり、それが読売新聞社朝日新聞社でそれぞれ開かれ、国際大会に出場しているそうなのです。
(先生は朝日新聞の方の審査員をやられたこともあるらしい。)

興味のある人はぜひ参加してみてはどうでしょうか?


3日目以降のことはまた後日書く予定です。(できるだけ小出ししたいのですが。。。)


実験にチャレンジ! 2006/08/12
物理チャレンジ三日目は五時間にわたり実験問題(課題?)を解くものでした。
科学技術館のサイエンス友の会で沢山実験をしてきた(はずだ・・)ので実験問題では高得点を狙おうと、前日の夜から友の会の友達と話しに盛り上がっていました。

理論問題のときと違い、5時間の間、高水準の(?)集中力をキープできたような気がしました。
得意なものは熱中できるものですね。


理論問題で1問もニュートン力学についての問題が出なかったのですが、その穴埋めであるかのように1問目から力学の内容が入っていました。

机上の計算では力学は簡単なのですが、実験となると波動などのほうが簡単に感じます。
力学は、厳密に、直接の方法では実態のつかめない「力」を計測したりしなくてはならず難しいものです。



今回の実験は三つの大問から成り立っていたのですが、すべてにおいてネオジム磁石を使う実験でした。

あまり知られていないようですが、日本は磁石の開発には大きく貢献をしてきました。
普段家などでよく見かけるような黒い磁石ばっかりではなく、他にもネオジム磁石を含め何種類もの磁石が開発されてきました。
その何種類もの磁石のうちの大半は日本人の研究者が開発したものなのです。
ネオジム磁石も日本人が開発した磁石で、今もなお世界最強の磁石としてCDやMDプレーヤーの中にまで使われるようになってきました。


その強い磁性をもった磁石で様々な実験をしました。
偶然にも小学生の時には磁石についても実験工作をやっていたので楽に解くことが出来ました。


1問目はうず電流の実験です。
銅やアルミのパイプ(磁石にくっつかない金属)の中で磁石を落下させると磁石はそのパイプの中をゆっくりと落ちてゆきます。
この現象について分析するのが一問目の大問でした。
多くの人がこの実験装置を作るのに苦戦していたようです。
問題の最後に、「あなたが実験装置を作る上で心がけた点は何ですか」という問いがあったので、嬉しくなって(?)沢山書いて解答用紙の裏面まで書いてしまったような気がします(笑)

一問目は物理というか工作の能力も必要なようでしたが、僕にとっては得意分野だったので順調にいけてよかったです。



二問目はガウス加速器と呼ばれる、磁石の吸着力を使って高速に金属球を飛ばすという実験でした。
磁石の片側に二つ(以上)の鉄球を取り付けておき、もう一つの鉄球を磁石の逆側に近づけてゆくと二つの鉄球のうち一つがものすごいスピードで飛び出すというものです。
見たこともない実験だったので、とても驚きました。
でもこの問題はやっていてとても楽しかったです。

その映像を公開しているページがあったのでリンクしておきます。

「第218回サークル例会」
↑映像を見るためには新たにプラグインのダウンロードが必要なようです。



もう少し深く突っ込めるような内容の問題まであったらいいなとおもいました。
でも、時間的にやりきれなかった問題もありました。
五時間が終わったときには相当の手ごたえが感じられてよかったなぁとおもっています。
税金で実験装置を購入しているためか(!?)、すべて回収されてしまいましたが、できるものならもらいたい部品などが沢山あり、もらえなかったのが少し悔しかったなぁ。笑




このあとにバスで兵庫県に移動して大型放射工施設『SPring8』にいってきました。

このことはまた後で書くつもりです。


放射光 2006/08/16
物理チャレンジの三日目のイベントは実験問題と、SPring8の見学会でした。
今日はその日の感想ではなくSPring8そのものについて書いてみたいと思います。


SPring8(スプリングエイト)とは、世界最大級の放射光実験施設です。
巨大なパイプのわっかの中で電子を光に近い速度(8GeVというエネルギーをもつ)まで加速させることで、簡単に得られないとても明るいX銭のレーザー光などを作り出す装置(?)です。
とても明るいX線のレーザーはほとんど放射線(ガンマ線)に近い強さを持っています。
この超強力な光を様々な物質に当てることでその物質の構造を詳しく調べることが出来ます。
職員の人たちは「SPring8は世界でただ一つの一般の人に開放されている放射光実験施設なのです!」と自慢していました。
SPring8から出る放射光は研究室だけでなく、警察などにも開放されている施設なのです。
SPring8によって和歌山カレー砒素事件で、カレーに砒素が混入されていたということも判明しましたし、いまでは家のアスベストの有無を(厳密に)調べるときなどにも使用しているそうです。

SPring8は相対性理論をはじめとした近代物理学の塊なのですが、それを使用する人のほとんどは物理を専門にしていない人達なのです。
最先端の科学実験施設が他の分野にすぐに応用されているということはとてもすばらしいことだと思います。
ただただひたすら理論を追うことも大切ですが、このようにその理論が実用化につながっていくことはとても大切だと思います。
これからもどんどんSPring8が一般社会に応用されていくことを期待します。


物理チャレンジの理論問題では、このSPring8でなぜ強力な光が放射されるかについてを論理的に導き出させる問題もありました。
僕はこの問題は解けませんでした。
そして、模範解答を読んでもはっきりと分かりませんでした。(苦笑)
なので、明日はこの仕組みについて勉強したいと思っています。



時空のデザイン 展
いま東京大学総合研究博物館というところで、時空のデザイン 展というものが開催されているそうです。
サイエンス友の会の時にとてもお世話になった方からこの展示会の情報をいただきました。
"インフレーション理論の佐藤勝彦先生と、ゆらぎの研究をなさっている佐野雅己先生の研究室の院生が1名ずつ"が展示解説をしてくださるそうです。
一度はそこへ足を運んでみたいなと思いました。

ぜひ皆さんも東京大学総合研究博物館にいってみてはどうでしょうか?


量子力学 2006/08/17
ここ最近は塾の自習室で毎日のように勉強をしています。
というのも、来週からは文化祭やコンクールに向けて部活が始まってしまうのです。
それと同時に夏期講習もあるので自由に勉強できる時間がなくなってしまうからです。

僕の塾の自習室には様々な参考書などが置いてあります。
参考書、といっても大学受験向けのものばかりでなく大学教養に使うような書籍が沢山おいてあります。
中には塾の先生の著作もずらり。。。
大学教養の参考書を一人で読み解くのは相当の労力が必要なものですが、それを理解できるととても楽しいものです。

いまは、そのなかから一冊「初等量子力学」(W.Heitler著 共立出版)
という本を借りています。
沢山の書き込みやアンダーラインがついています。
「もしかして、塾の先生が昔使っていたのでは?」とおもっています。

しっかりとした基礎を確保できていない学生にもできるだけ分かりやすいようになっています。
(つまり突然新語が出てくることが少ない)
今週中に読破ができたらいいなぁと思っています。

PS
この文章を見る限り物理しか勉強をしていないように思われそうですが、数学や英語も(国語もやらなきゃなぁ。。。)勉強をしています。


紫外線LED 2006/08/27
LED(発光ダイオード)という名を聞いたことがあるでしょうか?


ICと同じシリコンでつくられた小さな電球のようなものです。
たとえばパソコンの電源が入ったことを表示するランプも、テレビなどのリモコンの発信機も、すべてLEDです。
いまでは信号機や、電車の行き先表示、大型ディスプレイなどにも使われています。
(↑日本科学未来館には100万個ものLEDを使用した球面のディスプレイGeoCosmosがあります)



LEDは、いままでの電球と違い、あまり発熱をしません。
そのため、エネルギーをロスすることが少なく、効率よく光を得ることができるのです。ただ、一つの素子で発光できる明るさがまだ小さいのが欠点です。
明るい光が出るような技術開発がなされると、家の電球もLEDに変わっていくのかもしれませんね。


僕はこの前(といってももう一年前なのですが・・・)近紫外線を発光するLEDを購入しました。
紫外線のLEDはつい最近に開発されたものだろうと考え衝動買い(笑)をしてしまいました。

赤い光のほうが少ないエネルギーで発光させられることができ、青い光のほうが沢山のエネルギーがないと発光させられない、という物理法則があります。
LEDの開発もこのとおり、赤色から始まりました。
青色(や青緑色)のLEDを実用化させたのはつい10年ちょっと前のことです。
開発者は中村修二という日本人です。

その後により技術が発展していき、今では遠紫外線を発光できるLEDまで製造がされるようになっているのです。


そのLEDを点灯させるには3.6Vから4Vの電源が必要でした。
購入してみたものの、ちょうどその電圧を出せる電池がなく、抵抗を電池との間に組み込まなければならず、使い勝手が悪かったです。
なんとかならないかと、悩んでいたら、ちょうどよい電圧の電池を発見しました。
その電池とは・・・携帯電話の電池です。笑
携帯電話の電池をはずしてみたところ、電池の仕様には3.7V、と書いてありました。
とても嬉しくなってLEDを直接電池の金属端子に接触させてみました。
そうしたら、とても嬉しいことにきれいにLEDが光っていることが確認できました!

嬉しさのあまり(?)家中の電気を消してそのLEDとともに歩き回ってみました。
紫外線は高エネルギーな光なので、蛍光塗料などにあたると蛍光塗料をミドリ色に光らせるのからです。
家中紫外線LEDとともに歩き回ってみたところ、一部の洋服や運動靴、蛍光ペンなどが紫外線によって緑色に光っていました。


しかし、紫外線でミドリ色に光ってしまうものが家に沢山ある、ということは洋服や靴には漂白剤が多量に使われたことをしめしているのです。
できるものならLEDに反応するものが少ないほうが、嬉しいものですよね。




PS
長い時間LEDとともに探検(?)をしすぎたために携帯の電池は熱くなり、また紫外線のせいで目がしょぼしょぼしてしまいました。
皆さんは紫外線を扱うときにはもっとていねいに扱うようにしてくださいね。



(上図は先日購入した高輝度紫外線LEDと高輝度青色LEDの写真です。
外見はほとんど違いが分からないのですが、素子の発光部分をじっくりと観察するとちょっとだけ配線の違いがありました。)