学部学生から研究室へ(UROP参加)


大学には
UROP (Undergraduate Research Opportunity Program)
という、学部学生が大学院の研究室(*1)で、研究の手伝い(もしくは関連した実験)を体験できる、というプログラムがある。
つまり、学部学生ながら、研究室配属されて、先端研究に触れられるというものだ。

昨年UROPを体験した先輩(*2)の勧めで、僕も今年参加することにした。
以前から将来は、物理や工学などの研究室に進みたいと考えていたものの、(UROPのプログラムで選択できる)物理系の研究室は特に難しそうであった。
改めて研究室案内全体を眺めてみていたところ、(簡単にいえば)葉緑体の研究をしている研究室を偶然見かけた。
小学生や中学生のころ、太陽電池を用いた工作をしたり、太陽電池についての研究をしていた時期もあったからか、この研究テーマに大変興味を持った。

そして今日、その研究室の先生と面談をして、様々な話を伺った。
(この画像は生産技術研究所の内側の写真で、左端にある部屋が今日伺った研究室)
ここでは主にクロロフィル(葉緑体の主要物質)を中心とした部分の光合成反応について詳しく研究しているようである。
光合成に関わる物質の多くは共通の基本骨格をもつものであるが、一部の水素がメチル基(炭素一つ)に置き換わったり、分子鎖の結合の向きが上下逆になってしまうだけで、まったく別の性質をもつクロロフィルや、他の物質になったりするらしい。
僅かな違いによる物理的特性の変化を知ることで、光合成反応に関わる物質の構造を理解し、光合成を理解しようとするのが目的らしい。

さて、だからといって学部一年生の僕に割り与えられる役割が、このような最先端の研究の主要部分を担えるという訳でもない。(笑)
どのような境遇においても下っ端は下っ端である。

僕の今回の研究テーマは
抽出された色素をクロマトグラフィーという機械を用いて物質ごとに分離をしていく。
そのようにすることで、いままで見つかっていなかった分子を発見したり、研究したい物質だけを単離したりするのである。
もちろん、この研究の主要になるところはその単離された物質を分析して、構造を決定し、その物質の光合成回路での役割を見定めることである。

僕にとって初めての本格的な研究であるし、液体クロマトグラフィー(という分析装置)を使うことさえ初めてである。
どんなに下っ端であろうと、むしろ(大学院生の方々と)一緒に研究をさせて頂けることが嬉しい。
本気で実験をしてたくさんのことを吸収していきたいと思っている。


(*1)主に、駒場にある「生産技術研究所」や「先端科学技術研究センター」を拠点とする研究室
(*2)物理チャレンジ、化学グランプリ両方でお世話になった先輩。彼はUROPに関わった学生のことを「ユーロピアン」と呼ぶ。(笑)

前の記事

熱力学がアツい

次の記事

大学生活:五月の行事