29歳になりました。4月からは研究者としての新しいステージに。

誕生日を迎え、20代最後の一年が始まりました。これまで東大物理学専攻で大学院生を長いことしていましたが、やっと4月から研究者としての人生を始められそうです。
これまでの一年間はなかなかハードでした。こんな大変な一年はもうないかもしれないけれど、自分の成長につながったと信じてこれからも頑張ります。

以下箇条書きで28歳の一年間を振り返ってみます…

  • 博士論文のために取得したデータがなかなか難解で(能力の無さもあいまって)博士課程の標準年数の3年をオーバーし5年目に突入
  • 9月卒業を目処にD論の仕上げを目指すものの、追加の解析、議論を入れるようD論審査会で指示され更なる延長戦突入
  • ベルギーの研究所いく話が決まってたけど延長戦となり先方の都合があわず取り止めに
  • もう急いでも仕方がないので腰を据えて追加の解析、執筆を継続
  • ほかの人の実験の手伝いも頼まれつつ、投稿論文も同時平行で完成、投稿(11月)
  • 投稿論文と博士論文を同時に書く(同時に就職先探し)というのが精神的にすごく負担であったと気付き、以後博士論文だけに集中して取り組むことに
  • なんとか年内に形が見えてきて、論文の主査や直属の上司のドイツ人の入念な赤ペン指導で更なる修正を繰り返す
  • 無事期限に間に合い、審査員から合格を頂き、3月1日付で博士号を授与されることに!(1月)
  • 今理研で雇って頂いているいるポストが今年度末で切れてしまうので急ぎ就活を(アカポス、民間問わず検討)
  • 民間の研究職をしている知人数人からもお誘いをいただきましたが、やはり一度くらいは海外でポスドクを経験してみたいという気持ちがつよく、海外の研究所をいくつか出願(2月)
  • うまいこと自分の今の経験を生かして発展させられそうだと思っていた、イギリスのヨーク大学で出ていた公募に通り、2年間研究員として雇ってもらえることになりました。(まだ正式な手続きは終わってないですが…)
  • 誕生日地点では博士号も投稿論文のアクセプト連絡も正式には来てませんが次の一年がこれまでの努力が開花することを願いつつがんばります。


おまけ

僕らの研究分野の人々は、共同研究者が沢山いて、特にお世話になった方々には印刷して製本された博士論文をお渡しする文化があります(PDFでもいいけどやっぱり本が便利なことも多い)。
50部用意することにしまして、その製本を印刷所にお願いしていたのですが、本日完成品が納品されました!
誕生日に素敵なプレゼントとなったこと、これまで頑張ってきて形になってよかったと一安心です。

博士論文の写真です。
博士論文、お世話になった共同研究者の皆様などに渡す用の冊子、完成しました!


写真を見るとわかるのですが、僕が研究したテーマはニッケル(Ni)という元素で、そのなかでも極めて不安定で珍しい(だけど研究対象としてはとても重要とされる)原子核を対象とした実験を行いました。
周期表をみるとわかるのですが、Niというのは28番目の元素(陽子の数が28個)です。
28歳のうちにこの仕事を無事に一区切りできるところまで終わらせることができて本当によかったです。
やっと次のステップに進めます~