衣が大崩壊!Fish & chipsに初挑戦。味はOK!

北大西洋海流により、高緯度にも関わらず温暖な海水と、グリーンランドから南下する寒流のコンディションがあるおかげかイギリス周辺は漁場としてはそれなりによいようです。
とはいえ、ヨークシャーはドーバー海峡側なので魚種があまり多くないのが難点ですが、とはいえ港町からも遠くなく、また古くから交易の拠点だったこともありお魚の質にはとても満足しています。

さて、イギリスで最も有名な料理の一つがフィッシュアンドチップス (Fish and Chips) だと思います。(イギリスではポテトフライのことをchipsといいます。ちなみにポテトチップスはcrispsです。)
Covid-19で世の中がロックダウンになるより以前は、大学の同僚たちと、金曜日はFish and chipsの日として食堂までお昼ご飯を毎週のように食べに行くのが毎週の皆の楽しみでした。
(金曜日はイエス・キリストが磔にされた曜日、ということに起因し、肉を食べず、魚を食べる、という文化がヨーロッパには各国で残っています。)

簡単にいえば、白身魚のフライです。特にこちらでは鱈(Cod:セイヨウダラ; Haddock:コダラ)やSole:シタビラメなどをメインに調理します。個人的にはCodが好きです。
日本人がイメージする白身魚フライと異なり、こちらはBeer-batterといって、ビールで溶いたバッター液(天ぷらの衣の仲間)で衣をつくります。ビールの風味がよく、さらに魚の臭い消しにもなるんでしょうね。

今回はこちらのレシピを参考にしてみることにしました。
計量スプーンがないのでテーブルスプーンで代用するも、どうも液が硬すぎる気がする(ぐびっ)…よし、もう少しビールを追加して溶いてみよう(ぐびっ)
…という感じでキッチンドリンカーをしながら(そんな飲んでないけど)結局は、レシピの動画に出てくるバッター液の粘性と同じくらいのものができたと、勝手に安心していました。(反省ポイント1)

さて、生地は一旦冷蔵庫で寝かして、お魚の準備です。

Codの切り身は量り売りで400g弱。このままだと大きいので3つに分けました。

鱈は足が早い魚なのですぐに臭いがしがちなのですが、スーパーの量り売りコーナーのお魚の鮮度は悪くないと思います。
でも購入してから一日経ってしまっているので少しだけ臭いがします。ボールにすこし濃い目の塩水を張り、塩水処理。臭いは消えました。

鱈の切り身を小麦粉につけ、バッター液に浸し、揚げる、というステップです。 ポテトも準備しました。

ポテトは、レシピ通り、した茹で数分してあります。手間がかかるけどこうやって細胞壁を壊して(多分)水分を蒸発させやすくしていくんだなあと学びます。

まずはポテトを揚げます。どうやら2度揚げすると美味しいらしく、はじめにこれから開始します。

はい、ポテトはOKそうです。
ちなみにこの揚げ鍋が登場するのは先日唐揚げを作って以来2度目です。
付属で網かごがついているのですが、便利ですね。一気にポテトを引き上げられます。個性的な揚げ鍋は東急ハンズで買いました(これしか選択肢がなかったという話もあるが)。

問題はこの次のステップ。

馬鹿なので3切れともまとめて揚げ鍋に投入してしまいました。 。

うーん。油の温度がまだ低かったようで(温度計、スーパーで売ってたし、ちゃんと買うか)しかも3つ同時投入のせいで、もともとゆるめだった生地が固まるわけもなく…あらら…(反省ポイント2)

衣が剥がれて悲惨なことになりました。幸運にも今回は網を使っていたので救出できましたが。。

はい、もう、身がポロポロになってしまいましたね。これ、どうすればよかったんだろう。買ったばかりの新鮮なうちに調理するとかも必要だったのかな。あとは、腹と背のお肉で切り分けちゃったのもいけなかったのかもしれません。
一旦揚ったら、冷めてしまうので、いろんなレシピで提案されているのが、そのままオーブンに投入して余熱で温め続ける、という方法。
なるほど、と思いオーブンに投入。食べる直前に取り出すことでホクホクのままとりだせるのは、面白い学びですね。

ということでガッカリしながら調理継続です。まあ初めてだからね。何事も経験して、失敗して、それを改善すればいいのです(前向きに)
衣が崩壊、身も崩れて悲しい気持ちになりながらも、お芋の2度揚げをします。Chips(フライドポテト)のほうは上手くできました。

さて、盛り付けます。

グリーンピースとともにFish and chipsです。衣は崩壊しましたが味はOKだったのでよしとしよう…

こちらのFish and chipsでは付け合わせにグリーンピースまたはMushy peasと呼ばれる、グリーンピースを重曹の水で一晩寝かせてどろどろにしたペーストを付け合わせにたべます。
Mushyのほうが多分定番です。初めて食べた時は、びっくりしましたが、豆の味とは思えないような濃厚な味が、とてもクセになります。スーパーで探したのですがパッと見たところ見つからなかったのでグリーンピースを茹でて代用です。
(追記:そういえば、タルタルソースをかけたりするのが定番ですが、この時にどんなソースをかけるかでイギリス国内でも地域差があるようです。ヨークシャーではモルトビネガーといって大麦由来のお酢をかけることが多いそうです。同僚との会話でイギリス出身者だとご当地ソースの紹介になったりする。)

Chips(フライドポテト)のほうは上手くできました。

気になる味の方ですが、グリーンピースは普通に素材が美味しく、ポテトはびっくり、ちゃんと水分が抜けてサクサクとした食感になっていました。でもお芋の味が出ていて、これは上出来です。
お魚は…うーん。美味しいんだけどこの美味しさは素材が美味しいから美味しいんだよなあ、と。臭みもなく普通に食べられるんですが、やっぱり衣がべちゃっとしてしまったのはまだまだ改善が必要ですね。
狙っていたのは衣がちゃんと硬さと厚さがあって、身が崩れやすいこの魚をがっちりコーティングしている、そんな感じの衣でした。まだまだ精進が必要ですね。
揚げ物2回目の挑戦にして、作業の段取りは少しずつ慣れてきたので、次回はもっと手際良く作業できるようになっているといいな!ということでまたFish ‘n’ Chips、リベンジします!!

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今度はフランス人の同僚に教えてもらったYoutubeの調理動画を参考に、フライパンで浅目の油で揚げるshallow fryで試してみようかなあ。。でもまずは正攻法であるDeep fryでリベンジしたいな。
https://www.youtube.com/watch?v=HrNLvCO2tE4